理学療法士（りがくりょうほうし、Physical TherapistまたはPhysio Therapist）は、医療資格（コ・メディカル）の一つである。
[編集] 理学療法士（PT）の定義
「理学療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下に「理学療法」を行うことを業とする者をいう。
この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。
— 理学療法士及び作業療法士法 昭和40年6月29日法律第137号 第2条
理学療法士はPhysical Therapist（PT）とも呼ばれている。 ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力（座る、立つ、歩くなど）の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法（温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの）などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職。治療や支援の内容については、理学療法士が対象者ひとりひとりについて医学的･社会的視点から身体能力や生活環境等を十分に評価し、それぞれの目標に向けて適切なプログラムを作成。 寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩くなどの日常生活を行う上で基本となる動作の改善を図り、関節可動域の拡大、筋力強化、麻痺の回復、痛みの軽減など運動機能に直接働きかける治療法から、動作練習、歩行練習などの能力向上を目指す治療法まで、動作改善に必要な技術を用いて、日常生活の自立を目指す。 理学療法士は国家資格であり、名称独占と成っている。理学療法士は主に病院、クリニック、介護保険関連施設等で働いています。中には専門性を生かし、プロスポーツのチームに属している理学療法士など病院、介護、福祉施設以外にも様々な場が広がっている。
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[編集] 日本の社会保障と理学療法士の必要性
国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口（H18.12 推計）では2025年には総人口11,928 万人と減少するが65 歳から74 歳の人口が1,469 万人（12.3％）、75 歳以上が2,167 万人（18.2％）になると推計され、日本は世界唯一の長寿国家となり、これらを取り巻く社会保障問題は非常に深刻な課題である。さらに2055 年までこの少子高齢社会は継続し、高齢社会の荒波は着実に進行する。その中で医療保険、介護保険職域での理学療法士の必要性は益々高まっている。
[編集] 組織率と理学療法士数
理学療法や作業療法、言語聴覚療法などの養成校は十数年前は非常に少なかった。超高齢化社会が進み社会保障が大きな課題となるなかで、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の養成が急務となり養成校の規制緩和が行われ、平成12年以降より養成校の急増している。これに伴い年々新有資格者が増え平成24年には7万人を超える理学療法士の有資格者となっている。諸外国においても日本の理学療法士は協会への入会率は80％を超え、世界でも有数の高い組織率を誇っている。日本の理学療法士数は、現在では連盟会員数でアメリカを抜き、世界第1位の会員数を誇るまでとなった（会員数 日本53,751人 アメリカ50,766人）平成22年現在[1]。
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[編集] 理学療法士の職域別就労状況について
理学療法士の勤務先は医療保険、介護保険、児童・身体障害者、予防、行政、教育、その他職域に区分けされる。医療保険の急性期ではDPC 対応病棟、一般病床、脳卒中ユニットなど、回復期では回復期リハビリテーショ ン病棟や亜急性期病棟等で勤務している。維持期の医療機関では医療療養病床、診療所等で勤務している。介護保険では介護保険施設や在宅サービスの訪問リハビリ、通所リハビリ等で勤務している。勤務先は多様化し、同一医療法人で複数の仕事場を持つ職場もあり、業務も複雑化していると推測される。 日本理学療法士協会会員の勤務先から、この10 年の理学療法士の職域別会員数の増減と1 施設あたりの人員数を分析の結果、病院での就労者数は2000 年で17,104 人、4,742 施設で１施設当り3.6 人の状況 が2010 年で37,203 人、5,894 施設で1 施設当り6.3 人に増加傾向にある。病院への就労人員数は会員全体の66％を占め医療系の就職先が多い状況になっている。求人施設数の拡大は緩やかであるが、１施設当りの人員が増加。供給元となる養成校の増加で需要先となる医療機関が採用しやすくなったこともあり、理学療法士数が増加した。 また回復期リハビリテーション病棟料の新設も大きく影響している。診療所への就労者数も2000 年で880 人、575 施設で1 施設当り1.5 人が2010 年で4,720 人、1,920施設で１施設当り2.5 人増加している。これも病院同様採用がしやすくなったことが影響している。介護保険対象施設では介護老人保健施設、介護老人福祉施設以外にも介護つき有料老人ホームなどでの求人も増加している。介護老人保健施設、介護老人福祉施設の就職者数を見ると2000 年1,351 人、1,122施設で1.2 人が2010 年で4,720 人、2,430 人で1 施設当り2.
短腓骨筋の腱の分割涙を修復する方法5 人に増加しています。基準定員以上に雇用を行っている。 在宅サービスでは通所リハビリテーション、通所介護の通所サービス、訪問リハビリテーション、訪問看護など理学療法士が活躍する場所が増加しています。2000 年186 人、181 施設で１施設当り1 人が2010年1,205 人、1,000 施設、１施設当り1.2 人に増加しています。しかしこの分野は兼務が多く、常勤数ではまだまだ不足している。 今後は医療現場から介護や在宅分野での理学療法士の活躍が増えると予測しているがその充足には時間がかかるといえる。
[編集] その他の職域拡大
1）予防の職域での活動 予防は現状では高齢者を対象とした地域支援事業を中隔にする予防事業、要支援1,2 を対象とした介護予防の職域がある。この介護予防に対して介護予防認定理学療法士研修を過去5 年間継続し、約2,000 名を 育成している。さらに、一方で特定健診、特定保健指導を中隔にした生活習慣病予防があります。特に糖尿病に対する運動療法への参画は重要な課題。この分野では従来の職域と異なり、理学療法士の業務の位置づけが不十分、報酬 設定が不十分でありこの分野での理学療法士の活動モデルを提示する必要がある。 ２）産業分野での活動 欧米では作業労作状況の改善を図るために環境改善、運動療法の実施など様々な就労環境に対応した活動が行われています。日本では産業医を中心にした業務ですが、理学療法士の動作分析能力、動作指導などを効果的に活用して参画することが望まれる。 3）教育 理学療法士の養成校も2000 年132 校から2010 年246 校に増加しています。年間13,000 人の理学療法士を輩出するに至っている。職域の拡大、現状の基盤を整備するためにも養成される新人のレベルが重要で、今後の質の確保に向けさらなる教員の増員の期待も高まっている。
[編集] 政治運動
理学療法の発祥地と言える米国、ドイツを筆頭に、スウェーデン、イギリスやオーストラリアなどのリハビリテーション先進国では、理学療法士は広く認知されているが日本については必ずしも高いとは言えない。リハビリテーションについては医療現場では理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が主として関わるが、介護やその他のアスリートの分野においては、理学療法士の他に、アスレチックトレーナー、柔道整復師、健康運動指導士、マッサージ師など様々な職種が関わっており、理学療法士としてのの職域が確立されている分けてでもない。今後予想される超高齢化社会では理学療法士をはじめ作業療法士、言語聴覚士の必要性は更に拡大が予想される。脳血管障害などの中枢神経疾患や小児の発達障害、整形外科疾患、呼吸� ��疾患、循環器疾患、難病疾患等、幅広い分野でその重要性は広く認識されつつある。全国的な「リハビリテーション病院」の増加は現代医療に対するニーズを反映しているものと言えよう。理学療法士の職域の確立、社会保障に関わる問題にたいして、様々な政策提言が求められている。2009年の衆議院選挙で理学療法士初の国会議員(山口和之)が誕生している。
理学療法士の免許を受けている者は、教育職員検定により特別支援学校自立教科助教諭の臨時免許状が与えられる制度がある。（教育職員免許法施行規則第65条。臨時免許状取得者は定められた経験、単位修得により普通免許状が与えられる。)
[編集] 理学療法士養成校（養成施設）
詳細は「理学療法士作業療法士養成施設」を参照
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