PCOSは、
不妊の原因になる病気ではベスト3に入るテーマです。
不妊の原因になる方もいれば・・・
肥満の原因になる方もいます。
PCOSに伴う排卵障害による不妊は、
"よくある"反面、"難しい面"があります。
小さな卵胞がたくさんみられる状態の卵巣のことを「多嚢胞性卵巣」といい、
超音波検査で確認できます。
※ 排卵障害であり、
卵管障害ではないの改善策があります。
このページは、
『ライフスタイルの改善』 まで含めて書いてます。
左のイラストのように
PCOSは、排卵障害を通して不妊の原因にもなります。
また、インスリン値が高い為に 肥満の原因にもなります。
肥満を伴わないPCOSの疾患の方もたくさんおられます。
血糖値を上げない生活習慣が大事です。
当院では、PCOSを原因とするダイエットコースもご用意させて頂いております。
「The PCOS Diet Plan」 ← クリック
Q: PCOSとは
卵巣内に過多の原始細胞が存在する先天性症候群。
もっと分かりやすく書くと・・・
卵巣の中に、排卵できなかった未熟な卵がたくさん残ってしまう病気です。
普通は、いくつかの発育卵胞の中から、たった一つだけが成熟して排卵されるが
この病気だと、小さな卵胞がいくつも育つだけで、排卵に至らない排卵障害の病気。
卵巣の表面に卵細胞を包む小さな卵胞(嚢胞(のうほう))が多数連なった状態。
つまり、卵胞はある程度の大きさに成長すると破裂して排卵が起こるが、
この病気では、白膜が肥厚して卵巣表面が硬くなり破裂せずに多数の卵胞ができて、
月経不順や無月経となる。原因は不明。
◆注意すべき点は・・・
この状態で強い排卵誘発剤を投与すると・・・
卵巣に残っていた卵が一度に大きくなってしまい
卵巣が腫れてしまう(OHSS:卵巣過剰刺激症候群)ので、
排卵誘発剤の調整が、とても難しいといわれています。
ただ、多嚢胞性卵巣であるだけでは、多嚢胞性卵巣症候群とは診断されません。
左がノーマルな卵巣の断面図です。
右が肥大化したPCOSの卵巣です。
左図の排卵の部分を見て下さい。
卵胞期(低温期)で成長してきた卵胞が、
排卵で ポンと卵胞の壁が破れて
卵子が飛び出すのが排卵ですが・・・
PCOSの卵胞だと、膜が厚すぎて・・・
卵子が外に飛び出すことが出来ないのです。
これを排卵障害といいます。
この月経周期の中で、
原始卵胞 ⇒ 発育卵胞 ⇒ 成熟卵胞 ⇒ 卵子 (排卵)というステップがあります。
詳しくは、「女性にとって大切な卵子の数のお話」のページで詳しく説明しておきました。
↑ クリックで!
思いやりのある医師はアトランタの痛み
女性は生まれた時から、一生の卵子の数が決まっています。
卵子を育てる袋(卵胞)には、もととなる原始卵胞というものがあります。
女性は、生まれる時にはこの原始卵胞を卵巣に約200万個ストックしています。
高齢出産の多い現代、「卵子の老化」も切実な問題になっております。
排卵障害のPCOSですが・・・
男性ホルモンの分泌が多く、多毛を伴うケースもあります。
PCOSが肥満に出るケースや
不妊に原因になるケースもあります。
ホルモン治療がメインですが、黄体化ホルモンの分泌が
元々活発なPCOSの患者様は、ホルモン剤(クロミフェン)を
使って効果がない場合は、hMG製剤に移行する方が多いです。
hMG製剤は、卵巣を直接刺激するので
OHSS(卵巣過剰刺激症候群)などで、卵巣のハレなどの
副作用を訴える方も中にはいます
詳しくは、下記のページに書いてあります。
多嚢胞性卵巣であることに加えて、
以下の3つの条件をすべて満たすことで診断されます。
①排卵しづらい、 あるいは、排卵しないという月経異常を伴うこと
②血中男性ホルモン値が高いこと
③LH(黄体化ホルモン)値が高いこと
この3つをすべて満たして初めてPCOSになります。
★より分かりやすくいうと・・・・
男性ホルモンの値が高いため、卵胞は発育するものの途中で成熟が阻害されてしまい、
排卵障害や無排卵を招くことで、不妊の原因になる訳です。
不妊治療は、夫婦で考える!
不安を一つ一つ 解決していくことで頑張れます。
なんでPCOSは、不妊のベスト3に入りながら
良くある反面、難しい問題なのか?
どんな排卵誘発剤や糖尿病薬を、どんなタイミングでどのくらいの量を投与するのか、
それを間違えると、排卵が回復するどころか、より排卵が困難になってしまいかねません。
また、OHSS※(卵巣過剰刺激 症候群)や多胎などの副作用をいかに回避するのかが大切です。
↓
※卵巣が肥大化して水分がたまり、体外受精(IVF)で作った胚を子宮内に戻せないための移植待ち
PCOSと診断されても、なんの治療も受けなくても、
すぐに自然妊娠できるケースもあれば(排卵障害であり、卵管障害ではない為です)
ホルモン療法を繰り返しても、
なかなか、排卵しない、また、排卵が回復しても、なかなか、妊娠に至らないケースも、少なくありません。
これが私が最初にPCOSは「良くある反面、難しい問題」と言った理由です。
生殖年齢にある女性の5%くらいにみられ、また、増加傾向にあり、
不妊原因の20%くらいを占めるとの報告もあります。
それにもかかわらず、多嚢胞性卵巣症候群の原因はよく分かっていません。
症候群なわけですから、その症状は、決して、一様ではなく、
肥満や内臓脂肪過剰、また、毛深くなるなどの男性化傾向がみられることがあったり、
インスリン抵抗性といって、インスリンの効き目が悪くなって、
糖や脂質の代謝に異常をきたす状態が、男性ホルモン値が高い背景にあることがあり、
そのメカニズムはとても複雑なようです。
前腕の皮膚の発疹、血
多嚢胞性卵巣症候群が不妊の原因になるのは、排卵障害や無排卵によってです。
ただし、どの程度、妊娠の妨げになっているのか、その程度は、さまざまです。
たとえ、PCOSと診断されても、自力で排卵があれば、自然妊娠が可能です。
ところが、排卵しづらく、排卵日の特定が困難だったり、
排卵の回数が少ないために妊娠しづらくなっていたり、無排卵の場合は治療が必要になります。
排卵障害を克服し、正常な排卵を目指すには以下の3つの方法があります。
① 手術療法
② ホルモン療法
③ ライフスタイルの改善や
排卵されなかった卵胞は、通常の場合の余った(成熟卵胞にならなかった)発育卵胞と同じく
閉鎖卵胞となってカラダに吸収されてしまうが、
それが間に合わず、卵巣が肥大化した場合は、上記イラストのように
卵巣の表面にレーザーメスなどで、小さな穴をあけて排卵しやすくする手術療法がある。
(1)クロミフェン
ライフスタイルの改善に取り組んでも、
依然として排卵障害が改善されなければ排卵誘発剤を使います。
まずは、最長6周期を目処に、クロミフェンを服用します。
6周期までに妊娠に至らない場合は、その後の妊娠率は低いとされているからです。
これにより、75~80%の症例で排卵がおこり、
周期あたりの妊娠率は22%、6周期までの使用で、
50~60%の確率で妊娠、出産に至るとの報告があります。
(2)クロミフェン+メトホルミン
クロミフェンを使っても排卵がおこらない場合、
糖尿病のお薬であるメトホルミンを併用することで、排卵が期待できることがあります。
クロミフェンが無効だったPCOSに、メトホルミンを併用したところ、
56%の排卵率が得られたとの報告があります。
(3)ゴナドトロピン
飲み薬が無効な場合、より強力な排卵誘発作用を有する注射薬によって、
排卵がおこる確率が高まります。
この方法では、約70%の排卵率、周期あたりの妊娠率は20%、6周期までの使用で、
50~60%の確率で妊娠、出産に至るとの報告があります。
ただし、hMG製剤は卵巣を直接刺激する為、PCOSの患者様は元々黄体化ホルモンの分泌が
活発なので、、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を発症しやすいため、
少量からはじめて徐々に投与量を増やしていくようです。
「卵巣刺激」と呼ばれる排卵誘発剤は、卵巣に直接FSHやLHを送り込むものです。
FSHやLHを含むものがhMG製剤と呼ばれ、
LHを殆ど含まないものがFSH製剤と呼ばれます。
その人の状況によってこれらが使い分けれます。
LH・・・黄体化ホルモン
FSH・・・卵胞刺激ホルモン
★人工授精(AIH)
クロミフェンの副作用で頸管粘液が少なくなったり、
また、排卵誘発によって得られた貴重な排卵の機会を大切にするため、
人工授精を施すことで妊娠の可能性を高めることは有効です。
★体外受精(IVF)
そもそも、PCOSは排卵障害が不妊の原因なわけですから、
基本的には、体外受精は、相応しい治療方法にはなり得ません。
ホルモン療法や人工授精などの治療でも妊娠しない場合、
体外受精にステップアップすることを検討するケースが多いようです。
子供の発熱と頭痛
日本人の場合、PCOSの約3分の1に、肥満(BMI≧25)が伴うと言われています。
もしも、肥満を伴うPCOSであれば、ダイエットが大変有効であるとの報告が多数あります。
ただし、単に体重を落とせばいいわけではありません。
短期間に急激に減量することは逆効果になりかねないからです。
そもそもPCOSは、太りやすい体質にあることが多いため、ダイエットが簡単でないことが予測されます。
そのため、1~2ヶ月かけて、5~10%を減量するというペースを目指します。
なぜなら、たとえ、BMIが正常レベルにならなくても、5~10%程度の減量でも、
止まっていた排卵が再開するとの報告があるからです。
いずれにしても、減量が目的ではなく、食生活を改善し、運動習慣を身につけることで、
ホルモン環境を整えることで、正常に排卵がおこり、妊娠することが目的だということです。
また、PCOSの3分の2は肥満を伴うわけではありませんが、その中に内臓脂肪過剰な"隠れ肥満"が少なくなかったり、インスリン抵抗があるとの報告もあります。
そのため、肥満でなくても、
①食生活を改善し
②血糖値を上げない食べ方を心がけること
③適度な運動習慣を身につけること
この3つが大切です。
<インスリン抵抗性>
PCOSの女性には少なからず、インスリンの効き目が悪化しており、
インスリン量が増えてしまう傾向がみられるとのこと。<インスリン分泌過剰>
そして、そのことが男性ホルモン(アンドロゲン)高値を招き、
卵胞の発育の障害になるだけでなく、
卵子の質を低下させたり、流産率を高めることがあるとの報告もあります。
そのため、血糖値を安定させるような食生活を心がけることが大切です。
血糖値の急激な上昇、下降を繰り返すような食べ方は、インスリン抵抗性を悪化させかねないからです。
現代に特有の食生活は、血糖値の乱高下を招きやすいことから、
意識して、食べるものや食べ方を考える必要があります。
○一度にたくさん食べない
○よく噛んで食べる
○朝食を抜かない
(血糖値を下げないようにする為、ここで下げておくと昼ごはんの時にそれが急上昇するから)
○朝食は血糖値があがりにくいものをチョイス
○午後に小腹がすいた時にデスクから砂糖入りの甘いものを食べたり飲んだりしない、
清涼飲料水は飲まない
○ネバネバしたもの、酢の物、食物繊維を必ず一緒に食べる
○甘いものは、食前ではなく食後のデザートにもってくる
○アルコールは飲みすぎない
○食事と食事の間を空けすぎない。
○ 精製度の低い穀物(玄米、全粒粉パン、全粒粉パスタ)を食べる。
○ファーストフードはあまり食べない。
○砂糖は極力摂らない。
○清涼飲料水は飲まない。
○豆、野菜、果物、キノコ、海藻、を毎日食べる。
○砂糖の代わりに、ハチミツやメープルシロップを。
当院の薬膳コンサルタントのご紹介
<asako プロフィール>
北京中医薬大学日本分校で
中医師 劉 海洋氏に師事。
薬膳士免許取得。
臨床検査技師。
現在、薬膳コンサルタントとして他店(健康業界)のコンサルタントや、
薬膳教室をしています。
無月経の治療は、植物を育てるように卵巣を育てていくように考えています。
いったん落としてしまった卵巣の機能を復活させる為には、
体質や体調、ライフスタイルに合わせて、手を尽くしてあげなければなりません。
植物に光と水を与えたり、栄養剤や除草剤をつかったり、
時には枝の剪定をしたりしながら花を咲かせるのに似ています。
例えば・・・こんな薬膳料理はいかがですか? (自分のブログより抜粋)
食を通じて、皆様にとって有用なレシピを
ブログを通じて提供しています。
★Life with 薬膳 (by 薬膳師asako)
蓮三昧!葉も実も根もいただきます
今日のレシピは
「鶏肉の蓮の葉蒸し (鶏肉の蓮三昧)」
この料理は、籠鶏荷葉(ロンチーホーイエ)という中華料理をアレンジして作りました。
せっかく蓮の葉を使うのですから、この際、根も葉も実もみんな使って蓮三昧にしました。
蓮は前にも紹介しましたが、葉・根・実すべて優れた効能があり、
古から薬用として幅広く使われてきました。
このブログのロゴも「蓮/hasu」をモチーフにしているのは、そういた意味を込めているからです。
蓮葉は、細かく刻まれ、利尿剤として漢方薬として取り扱われています。
そして、大きな葉は食材として使われています。
<効用>
蓮の葉 : 利尿効果
蓮の根 : 温性、腎、胃 脾を守り、胃を開く 増血
蓮の実 : 平性、脾、心、腎 消化機能を正常にコントロールする、精神安定
<材料> 2人前
・鶏モモ肉 1枚
・蓮の葉 1枚
・蓮の根 小1ヶ
・蓮の実 6ヶ (水に一晩つける)
・たけのこの水煮 1/2ヶ
・A
酒 大1
塩 少々
胡椒 少々
長ネギ(みじん切り) 大1
生姜 (みじん切り) 大1
醤油 大2 ・・・・ ※豆板醤を少し入れた お醤油につけてどうぞ!
<作り方>
1)鶏肉は、一口大に切り、蓮根は半分にして、1cm厚さ、タケノコも1cmに切り
蓮の実とAに漬け込んでおく
2)蓮の葉は、20分間程 水につけて戻す
3)蓮の葉を蒸し器に入れて、1をのせ、20~25分間 蒸して出来上がり。
薫りが魅力的な料理です。
<内容>
● PCOS Diet Plan
(肥満を伴った無月経・無排卵の方)
● PCOS Plan
(肥満を伴わない方)
詳細は、PCOS Diet Planのページへ クリック
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